ケンチュウ・ウンセン(タイ)
ケンチュウというのは野菜スープのこと
で、ウンセンは春雨をいい、ケンチュウ・
ウンセンは、野菜と春雨のスープ。
スープの身には、そのほかきくらげ、小
えび、隊肉、卵などが入る。コリアンダー、
こしょう、それに魚から作ったナム・プラ
と呼ばれる調味料が独特の味と香りを出し
ている。
スープといっても、西洋料理のスープの
ように薄いものではなく、それ自体メイン
の料理となる中身の濃いものである。
辛いといわれるタイ料理の中では、ケン
チュウ・ウンセンは淡泊な味である。タイ
風のカレ?などとは対照的にさっぱりした
上品なもので、王宮料理の流れをくむもの
といわれる。
タイの王宮料理にふれるとき、今世紀初
頭にこの国の王位にあったチエラロンコー
ンの名が浮かぶ。妓は自ら調理に手を出す
ばかりか、新しいソースの作り方を考え出
すなど、食通ぶりを磯挿し、王宮料理の発
展に貢献したといわれる。