コールマ インド

ムガール帝国の宮廷料理として発達した
肉料理。
 羊肉や鵜肉をヨーグルトに漬け込んでお
くと、肉の臭みがとれて軟らかくなり、酸
味がしみ込んで複雑な味になる。ココナッ
ツミルクでとろみと甘みをつけ、サフラン
シナモン、ナツメグ、カルタモン、ジンジ
ャー、タローヴなど、香り高いスパイスを
加えたソースで煮込み、白いご飯、ピラフ
またはナンと一緒に食べる。いかにも宮廷
料理らしい高雅な味わいがある。

 その普、ムガール帝国の王侯貴族たちは
しばしば狩猟を催して、野性のシカ、ウサ
ギ、カモ、キジなどを仕留め、野営で料理
人にコールマーを作らせて貿味した。それ
が最高のごちそうであり、客人には何より
のもてなしだったという。味のよい猟鳥獣
はたいてい食べたが、イノシシだけはコー
ランで禁じられている豚に似ているから食
べなかったという。