サンガキ(イラン)

"平たいパンの一種。広いかまどの中に鉄
棒と鉄網でいくつもの棚を作り、その上に
小石を敷き詰める。小麦の全粒粉を練り、
薄く引き伸ばして、幅二〇m、長さ六〇皿
ぐらいの長円形にし、木製の長いへらを依
って、かまどの中の小石の上に置く。
 ほどよく焼けたところで取り出すと、裏
面には小石の跡がボコポコとついている。
焼き上がりは男っぽく、細長いので手に持
つとたれ下がる。サンガキのことをヨーロ
ッパ人は「竜の舌しと呼んだりする。
 煮込みなどはこのパンを二つ折りにして、
すくいあげるようにして食べる。なおサン
ガキの名はサングハ小石)からきている。
【余談・エピソード】
 東は中国の北辺から西はモロッコにいた
るまでのイスラム(回教)圏では、小麦の全
粒粉で作った平たいパンが重要な役割をは
たしている。西アジアの「ナン」や北アフ
リカの「アイシ」はその好例といえよう。"