魚すき(大阪府)

生きのよい魚介類を豊島に使った鍋料理。
 漁師たちの料理からきたもので、材料は
季節によって変わるが、魚介類で欠かせな
いのが、まだいをはじめとする白身魚、し
あじ、いか、くるまえびなど。野菜類は、
ねぎ、はくさい、しゆんぎく、しいたけな
ど。ほかに、焼き豆腐、糸こんにゃく、ふ、
湯葉なども用いる。
 そぎ切りにした魚、下ごしらえしたいか、
くるまえびなどは、しようゆ、酒、砂糖で
作ったたれにつけてよく味をしみ込ませる。
こんぶだしをはった鍋にまず野菜を入れて
煮たのち、魚介類を入れるが、これらは煮
るというより、しやぶしゃぶ風に鍋にくぐ
らせる程度にし、ポン酢や卵で食べる。さ
っぱりとして上品な鍋で、冬のもてなし料
理に最適のものである。
 
 たい、たら、ひらめ、かれいなど白身
魚を加熱するとほぐれやすくなるのは、魚
の筋形質たんばく質の中に熱凝固しない成
分があることによる。