スモーガスボード(スウェーデン)

オープンサンドイッチだが、具を必ずし
もパンの上にのせない。
 ハム、ベーコン、チーズ、ゆでえぴ、酢
漬けにしん、といった材料と、何種類かの
パン、デザートなどを並べたテーブルから、
自分で取りわけて食べる。アクアヒットと
呼ばれるきわめて強い酒を飲みながら食べ
ることが多い。
 酢漬けのにしんから食べ始め、最後に温
かい料理を、そしてデザート、果物、コー
ヒーでしめくくる、という一応の順序があ
る。温かい料理というのはグラタン、ハン
バーグ、オムレツなど。
 残り物の肉類や野菜を並べた、家庭での
簡素なものから、何十種類もの料理を並べ
た一流ホテルのものまで、いろいろあって、
スウェーデン人の坦民食的存在となってい
るのである。

 スモーガスボードはバイキングの大宴会
のスタイルを今日に伝えるものといわれ、
アルコール度四〇度以上というアクアビッ
トのグラスが次々と飲み干されてゆく様子
はまさに豪放なバイキングの世界である。
ただし、本来はもっと素朴なものであり、
現在のように豪華なものになったのは一九
世紀末以降のことという。