クラーブラックス(スウェーデン)

生さけの切身に、壌砂糖、白こしょう、
ディル、パセリなどをふりかけ、重しをし
て二、三日漬け込んだもの。薄切りにして
食べる。マスタードを油で延ばし、好みで
こしょうなどを加えたものをつけ、レモン
を添えるのが一般的。
 ディルの風味が生臭さを消し、とろける
ように軟らかい生さけのうまみを引き立て
る。「スモーガスボード」の言叩として、ま
たオードブルとして、しばしば登場する北
欧の味覚である。
 海と湖水に恵まれた北欧では魚介類がよ
く食べられる。ことに冬の厳しい寒さの中
で、乏しい食糧を有効に使うため、魚を干
したり、塩漬けや酢漬けなどにして保存す
ることが盛んである。にしん、ます、たらな
どの指地溝け、酢漬けのほか、にしん、さけの
くんせいなどは北欧のどの南でも見られる。

 ストレミンと呼ばれる小型のにしんは、
どこの家庭でも大量に漬け込んで手軽に利
用される。それらの貯蔵法の多くは、バイ
キングが残した伝統的なものといわれる。