かきの土手鍋(広島県)

特産のかきを使った冬の名物料理。
土手鍋は、土鍋の緑にみそをぬりつけて
土手を作り、かきと野菜を入れて土手をく
ずしながら食べるもので、みそとかきの味
が調和しておいしく、体が温まる。
 この土手鮒の名称については、かきの行
商人、土手吉助がこの鏑を発明したので、
その名をとった。または、平らな鉄板の上
でみそを−二手にして食べたことからなどの
脱がある。
 このほか、かき本来の昧を生かしたもの
として、生でポン酢をつけて食べる酢がき、
恕つきのまま発す家形蒸しなどがある。か
きから出るだしを生かした料理には、かき
飯、チャウダしグラタンなどがあり、和
風、洋風と料理の種類も多い。

 かきの養殖の歴史は古く、室町時代後期
に日本で初めて行なわれたのが広島。現在
でも全国生産量の八〇%近くを占める名産
地である。養殖されているのは「まがき」
という種類で、身がやや大粒でおいしい。
旬は栄養分をたくわえる晩秋から真冬。